振袖の柄ってどんな種類があるの?古典柄とは?その1
振袖は生地自体の色鮮やかさはもちろんのこと、様々な煌びやかな柄が装飾されています。そしてその柄には、それぞれに色んな意味があるんです。
おめでたい席に着ることが多い振袖だけに、それぞれの柄には縁起のよい意味が込められています。
今回の記事では、古典柄の一つである【吉祥文様】の柄についてご紹介していきたいと思います!
◆吉祥文様について
吉祥文様とは、良い兆しやおめでたいしるしとして、縁起の良い動物や植物、道具などの図柄を描いたものです。富や繁栄などの願いを込めて古くから使われています。
柄の由来は中国から渡ってきたものが多くあります。
◆松竹梅
松竹梅は、3つ組み合わせて用いられることもあれば、2つだけで組み合されたり、1つのみで用いられることもあります。
松は神が宿る木とも言われており、一年中枯れることなく緑を絶やさないことから「不老長寿」、竹も寒さに負けず青々とまっすぐ伸びることから「成長」、梅は寒い中でも花を付かせることから「女性の強さ」と、松竹梅それぞれにも意味があります。
ちなみに松竹梅の由来は、中国の宋時代に「歳寒三友」という好んで描かれた画題のひとつで、「清廉潔白・節操」という、文人(よく勉強をし文章を書く人の意味)の理想を表現したものとして扱われていました。
「鶴と亀」の文様と組み合わせて使われることもあります。
◆七宝
七宝とは、仏教典に載っている「七つの宝」で富貴(お金持ちで、かつ地位や身分が高いこと)を表している仏教用語です。「七つの宝」とは、金・銀・水晶・瑠璃(るり)・瑪瑙(めのう)・珊瑚(さんご)・しゃこのことを指しています。
輪が無限に連鎖しているような文様のため、人との和の大切さや、子孫繁栄」などという意味もあります。
◆宝尽くし
宝尽くしの柄には色んな道具が描かれていますが、一例を紹介します。
・如意宝珠:願いのかなう宝の玉で、如意輪観音や地蔵菩薩などが手に持っています。
・宝鑰(ほうやく):宝物庫を開く鍵。
・打出の小槌:振ることにより、様々なものが出てくる伝説の槌。一寸法師のお話で登場しますね。
・隠れ蓑(かくれみの):着ると姿が見えなくなる蓑で、打ち出の小槌とならぶ宝物です。
似た宝物で、隠れ笠というものもあります。
・金嚢(きんのう):お金や財宝を入れる袋のこと。お財布みたいなものですね!
・丁字〈チョウジ〉:植物のクローブのことです。薬や香料の原料ですが、古来の中国では貴重なものとして扱われていました。
・分胴:金の重さを量るために使われる道具で、富の象徴とされています。
柄について知ると、歴史のお話や豆知識の引き出しが増えて楽しくないですか?
まだまだ色んな柄がありますので、次回も柄についてご紹介していきます。