知っておくべき振袖の豆知識
着物には様々な種類がありますが、その中でも振袖は、特別な存在である華やかな着物です。
振袖といえば成人式や卒業式、そして結婚式など、お祝いの時に着る特別な着物としての印象が強いと思います。
しかし「振袖っていつまで着ていいの?」「振袖と着物の違いって?」など、あまり知らないことも多いのではないでしょうか?
ここでは、そんな振袖の知っておくべき、豆知識を紹介します。
ぜひ振袖の事を知って、いい振袖選びができるように役立ててみてはいかがでしょうか?
成人式ではなぜ振袖を着るの?
卒業式や成人式などで当たり前のように来ている振袖。
あまり振袖の歴史など考えたことがない人がほとんどではないでしょうか。
あまり頻繁に着る着物でもないですし、晴れの日に女性が着る艶やかな着物というなんとなくのイメージが強いと思います。
そんな振袖いつから始まったかというと、起源を辿れば江戸時代と言われており、
元々は、子供や未婚の女性が着る、振りのある長い小袖として生まれ、振袖が誕生した当時も、未婚女性の正装として扱われていました。
江戸時代では、18歳になると元服を迎え、現代でいう成人式の様な、大人になるための儀式を行っていました。
成人式の当日には、親が娘の人生の旅立ちに際して心構えを諭し、力づけ励ましながら振袖を着せてあげる、そんな習わしがあったようです。
振袖を着ることで身を清め、心身共に立派に育ち成人を迎えたことを氏神様に感謝をする為の正装であったのです。
儀式の最後には、振袖の袂を切って振りを縫い、そこから袖丈一杯の留袖にするという風習があったそうです。
振袖と留袖の違いって?
初期の振袖の振りは55cmと、今と比べるととても短いものでしたが、時代の流れと共に、どんどん袖が長くなっていき、
振袖が誕生した頃に出回っていたものは、現在では留袖として知られています。
既婚した女性が身に着ける、あの着物のことですよね。
結果的に、振袖や留袖は本来の意味を離れていってしまい、袖丈の長いものを振袖と呼び、短いのを留袖と呼ぶ事になったのです。
なぜ未婚女性が振袖を着るの?
では、なぜ振袖は未婚女性だけなのでしょうか?
その理由には、次のような説もあります。
振袖が未婚女性のものになった理由の1つに、江戸時代に振袖の袖を振って愛情表現をしていたことがあるそうです。
結婚してからはその必要がないので、袖を短くしたそう。
昔は、男性に告白や求婚をされたとき、女性が言葉で返すことは、はしたないことだと言われていました。
ですので、女性は返事が「Yes」なら袖を左右に振り、「No」なら袖を前後に振って返答をしていました。
この振袖を使った習慣から、恋愛の「振る」「振られる」という言葉ができたとも言われています。
そしてもう1つの理由。
未婚の男女が人前で気軽に話をできなかった時代に、男性が女性のことを未婚か既婚かを見分けるために必要だったようです。
未婚女性が振袖を着るのは、独身だとアピールする意味もあったのです。
そうなると、結婚しているのに、袖を振って意思表示するわけにはいきませんよね。
夫以外の男性に色目を使っているということになってしまいます。
そういった理由から、既婚者は誤解を招かないようなマナーとして、袖を短くすることが一般的になったそうです。