振袖の柄や模様ってどんな種類があるの?柄に込められた意味って?
成人式の振袖選び、みなさん捗っていますか?
なかなか決まらないという方の為に、今回は振袖の模様についてお話します。
振袖を含めて着物の模様には、梅や桜などの花や、鳥や蝶などの生物のなど様々な模様・柄があり、それぞれの模様・柄に込められた意味というものがあります。
以前、どこかの媒体で見た、振袖が好きな海外の方へのインタビューの中で、こんな言葉がありました。
「私が振袖を好きになったきっかけは、振袖の模様・柄にそれぞれ意味が込められているという事を知った時でした。日本の伝統文化に感銘を受け、それ以来、私は振袖が大好きです。
けれど同時に驚いたこともありました。それは振袖をよく着るという20歳の日本人の女の子のほとんどが、その意味を知らないということです。せっかくの伝統なので大切にして欲しいと思います。」
日本で暮らしていると、成人式に振袖を切るのは当たり前になっていて、なかなかそんなことまで考えたりしないですよね。
けれど、海外の人たちから見ると、洋服と違って和服はそんな素敵な伝統を持っているのに、それを知らずに振袖を着るのはすごくもったいないと感じるようです。
パッと見た色やデザインの好みももちろん大切ですが、振袖の模様・柄の意味を知っていると、もっと選ぶのが楽しくなると思います。
そこで今回は、吉祥文様と呼ばれる文様をご紹介します。見たことある模様・柄がきっとあると思います。ぜひその意味を知って振袖選びに役立ててみてください!
おめでたい柄!吉祥文様(きんしょもんよう)とは?
吉祥文様とは、縁起がいい、めでたい印という意味表現した文様の総称です。
祝意を表すため、振袖を含め、着物ではよく用いられる図柄です。
吉祥文様には中国から影響を受けたものや、日本独自のものなど様々な文様があり、代表的な吉祥文様には、龍や鳳凰、鶴、亀、鴛鴦(おしどり)、鯉、松竹梅、宝づくし(打ち出の小槌など)、
貝桶(かいおけ)、七宝、扇、熨斗(のし)などがあります。
いくつかの代表的な文様や柄をご紹介します。
鶴
ご存知の通り、延命長寿の象徴としてよく使われる代表的な日本の吉祥文様です。
品格の溢れるその美しい姿が人気です。同じように吉祥の意味を持つ松竹や亀などの文様と組み合わせられることも多いです。
鴛鴦(おしどり)
おしどりは見た目の美しさだけでなく、オスメスが番(つがい)で生活することから、夫婦の変わらぬ愛を象徴すると言われ、婚礼衣装としてよく用いられる文様です。
龍
龍の文様は中国から伝わったとされ、その昔、古代中国では、五本指の龍の紋章は皇帝だけが使えるものでした。
龍が天に昇るイメージから、発展や栄光を象徴する柄と言われています。
鳳凰
鳳凰は古代中国から言い伝えられてきた伝説の鳥。
平和で幸せな世界が実現した時だけに現れると言われており、その優美な姿は、日本でも飛鳥時代から好まれている文様だと言われています。
鯉
中国では、鯉が滝を昇り龍に変身するという伝説があり、その謂れから、鯉の柄は発展や出世を象徴するとされています。
松竹梅
松竹梅は3つ組み合わせて用いられることもあれば、2つだけで組み合されたり、1つのみで用いられることもあります。
松は寒さのなかでも緑を絶やず、竹も極寒に負けず青々とまっすぐに伸び、梅は冬の寒さの中でいち早く花を咲かせる為、中国では古来から「三寒三友」と呼ばれ尊ばれてきました。
これらは「清廉潔白・節操」という、文人(よく勉強をし文章を書く人の意味)の理想を表現したものとの認識でした。
平安時代ごろに日本に伝わり、江戸時代以降に民間でも流行したころには、もともとあった意味から離れ、おめでたいことの象徴として親しまれてきた柄です。
吉祥文様の中では鶴亀ともよく組み合わせられることが多い文様です。
宝づくし(打ち出の小槌など)
縁起が良く、福を呼ぶと言われる宝づくし。隠れ笠や 宝珠など縁起のいい宝物を集めた文様ですが、その中でもよく用いられるのが打ち出の小槌です。
打ち出の小槌は日本の民話に登場する魔法の道具と言われ、富の神様である大黒天の持ち物でもあります。
願いを叶えてくれるという意味の他に、敵を討つという意味もあります。
貝桶(かいおけ)
貝桶は日本独自の吉祥文様で、貝合わせと呼ばれる平安時代から伝わる日本の遊びに用いられる道具のことです。
貝合わせとは、左右一対の貝殻に絵柄を描いたあとに、左右をバラバラにし、出された片方の貝殻の対となる貝殻をさがすという、貴族たちの遊びでした。
その際に貝殻を入れてあったのが貝桶で、明治維新までは、嫁入り道具の一つでした。
そのため夫婦円満の象徴と言われ、婚礼の場でよく目にする柄です。
扇
扇はその広がった形から、末広がりに運気がよくなる、将来の展望が明るいということを表す、発展や栄光を象徴する文様です。
扇にもいくつか種類があり、檜の薄板を絹糸で綴じた檜扇は、平安時代、十二単を身に着ける姫が装身具として持つ扇で、婚礼の場、特に花嫁衣裳として多く用いられます。
振袖の場合は、花の柄と組み合わされ「花扇」として用いられることが多いです。
熨斗(のし)
熨斗(のし)とはみなさんもご存じの通り、贈答品などに添える飾りですが、元来は熨斗鮑(のしあわび)と呼ばれる神様へのお供えものがもととなり、
長寿を表すものとして古くから縁起ものとされてきました。振袖には、熨斗をさらに細長い帯状にして文様にし、華やかさを引き立たせる柄としてよく用いられる文様です。
いかがでしたか?
吉祥文様といっても様々な模様・柄があり、それぞれに意味が込められています。
おめでたいと一口でいっても、長寿を表すこともあれば、富や栄光、夫婦円満などいろいろな種類の意味を持っています。
次回も引き続き、振袖の模様・柄についてご紹介します!お楽しみに!